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Introduction


PLATZ 1/144 FFR-00MR MAVE box 2009年12月の発売予定から遅れること10ヶ月。 遂に発売されたPLATZの"1/144 FFR-41MR MAVE雪風"。 早速、キットを入手し一機作ってみました。 製品のレビューをしてみたいと思います。 但し今回はキットの製作について1から説明したりはしません。 実は当初こうした記事を作るつもりもなかったので、製作中の写真を撮らなかったという事情もあります。 そんなワケで、内容的には少々薄いものになってしまいますが、どうせこんなコンテント、作るのはウチだけだと思いますので「無いよりはマシ」くらいの気持ちで読んでください。

First impression


1/144 PLATZ MAVE parts 部品点数約60点と、1/144の飛行機キットとしては細かく分割されています。 そのうち約20点が武装関係ですので、機体は約40点となります。 パーツ点数の少なかった同社1/72のマルチマテリアルキットとは逆のベクトルのキットと言えるでしょう。 素材がプラキットとしては一般的なスチロール樹脂ですので、普通にプラモデル用接着剤・ニッパー・ピンセットがあれば組み立てることは出来ます。 
ランナーを眺めてみます。 機体の主要部分はA1,B1,B10の三枚おろしになっており、これらにライフカプセル等のパーツを載せていく形です。 カナード・スタビレーターは機体に一体整形されており、取り付け角度等で悩むことはありません。 同じ題材なので当たり前ですが、バンダイの1/100メイヴ雪風と似た構成となっています。

全体に細く浅い凹モールドが施されており、食玩や古い1/144の飛行機キットに見られるオーバーな表現はありません。 そのせいで、スミ入れはし難いのですが、うるさくなるので1/144では可動部以外はスミ入れはしない方が良いでしょう。  

prepare


まず、このキットはmade in Japanですが、部品形状が複雑なせいか離型剤が残っている部分があります。 製作前に、まず中性洗剤で洗ってやると良いでしょう。 キットの構成上、パーツ単位で塗装をしてから、一度に組み立てることになると思います。 但しこの方法だとドーサルスパインにA1とB3の接合線が、ノズル横にA1とB1の接合線が出てしまいます。 真剣に作るならこれらの処理をなんとかするべきですが、今回は早く作ってキットの構成をお見せしたかったので、無視しました。 要するに接合線が出っぱなしの状態。 だいたいメーカー完成見本からして同様の処理ですので、ここはこれでよしとしましょう。1/72なら無視できませんが、1/144なので鷹揚に対処した方が、精神衛生上もよろしいかと。
後述するミサイルを除いて、各翼は適度に薄く成形されており、小スケールモデルに有りがちなダルな感じはありません。 
対空ミサイルAAM-Vの翼(C1)は成型の関係上、ありえない厚さになっていますので、ここはヤスリをあてて出来る限り薄くすると良いでしょう。

painting work


インストの塗装指示に今回から、Mr.カラーの他にPLATZ取り扱いのモデルマスターアクリルカラーの番号が記載されています。 基本的に1/72のものと変わりません。 1/72のときも書きましたが、この塗装指示に従うと結構暗い色となってしまいます。 特に1/144はモノが小さいだけに余計黒く感じると思います。 私は1/72のときと同じレシピにしました。
 A:333 B:307 C:338 D:69 E:317 F:214 G:8
インストの原寸大塗装図をコピーしたものを切りだして、マスキングテープに貼り、塗装マスクを作りました。  塗装の段取りについて1/72のページを参照のこと[C]

assemble


1/144 PLATZ MAVE parts 塗装が完了したのち、組み立てますが、なんせ部品が小さいので組み立ては難しいです。 必ずピンセットを用意しましょう。 機体と主翼の接続部が大変小さい為、強度が足りません(接続ピンの長さも径も足りない)。 ここは通常の接着剤より瞬間接着剤で強制的に接着した方が良いと思われます。 私は接続部をφ0.5の真鍮線に置き換えました。
組み立て上、最も問題となるのはライフカプセルを挟んで、A1とB10を接着する部分です。 部品構成上、ライフカプセルの先端部が機首ブリッジ部B10に被る形になります。 ライフカプセルがA17にがっちり接合されていないと、また、A17がA1に同様にがっちり接合していないとB10からかかる上向きのテンションのせいで上手く形になりません。 上手く形になりません…どころか、ライフカプセルがA17から持ち上がるワ、機首は上向きになるワでグデグデになってしまいます。(経験者談) 必ず先にライフカプセルとA17、A17とA1をがっちり接合させてから機種ブリッジ部(B10)を接着します。 また、B10とA1の接続部分(ドーサルスパイン部)はラインがあまり綺麗につながりません。 できる事ならパテで埋めてラインを綺麗に整えたかったのですが、橋脚パーツ(B6,B7)のせいで、うまくサンディングが出来そうもありません。 ここはどうすれば上手く仕上がるか、ご自身で考えてください。

The fairy on your palm


1/144 PLATZ MAVE parts さて、少々出来上がりに不満はあるものの…それは腕8割:キットの設計2割と言ったところでしょうか…一応完成しました。

ご覧のとおり完成形でも手のひらに収まる大きさです。 全塗装することが条件になりますが、カルトグラフの美麗なデカールの助けもあって、小さいが故の精密感(と、言うか密度感?)を感じられます。 

1/144 PLATZ MAVE parts 1/144と言うと、競合製品としてイエローサブマリンの完成品があげられます。 これを読んでおられる方の多くが既にイエサブ版を購入済だと思います。 その上でこの商品を購入するかどうかですが、結論から言えば自分で作ることに意義を見いだせるかに尽きると思います。 今回このアーティクルを書く為にイエサブ版と並べてみましたが、イエサブ版もかなりがんばった出来なのです。 イエサブ版は制作会社からの資料にのっとったカラーリングなのだと思いますが、このサイズだと結構黒く見えると思います。 イエサブ版ではコーションマーク類は全てタンポ印刷で、故にマークの周りの余白がシルバリングを起こす…なんてこともありません。 量産品故に、簡略化された部分(ブリッジの支柱等)はありますが、ABS製の主翼は薄さと強度を両立しています。 完成品で\2600と言う値段からも充分な出来だと言えます。 

1/144 PLATZ MAVE parts このキットにはアクセサリとしてAAM-V*2とAAM-V*2そしてドロップタンクが付きます。 しかしAAM-Vはノーマルジェットの状態で翼上パイロンに装備する描写はOVA作品中ではありませんでした。 メイヴの任務の性格上、通常のミッションでミサイルを8発装備することは無いでしょう。 AAM-Vはデザインもあまり面白いものではありませんので、今回の作例では装備していません。

1/144 PLATZ MAVE parts 1/144 PLATZ MAVE parts 1/144 PLATZ MAVE parts

1/144というサイズから、小さく簡単なキットだと思いがちですが、実際に作ってみるとそれは間違いであることが判ります。 サイズの小ささ故に組み立てはかなり難しいです。 例えばパイロンとハードポイントを接着する場面で、パイロンから接合ピンが出ていてハードポイント側の穴に挿し込むのですが、穴が小さくてなかなか入りません。 部品が小さいということは、接着面が小さいと言う事ですから、接着出来たと思ってもちょっとしたショックで脱落したりします。 機体後部のフィンB13〜15などは脱落しやすいので、きっちり接着しましょう。 またサイズが小さい故に左右のパーツの距離が近い為、ラインのシンメトリが気になります。 特に機首の白いラインは左右のバランスに充分気を配ってください。 機首のラインはガイドとなるモールドが欲しかったところです。 また、デカールの貼付け作業もぐっと難しくなります。 ヘッドルーペ等を使用しないと一番小さいサイズの"NO STEP"等は上下が判りません。 主翼上の赤いウォークウェイラインは2分割すると早く綺麗に貼れます。

\2800のキット価格は正直に言って高いです。 1/144で\2800なんて普通なら2機入りの価格です。 クリアパーツにある余剰パーツから、今後レイフも発売されることは判るのですが、メイヴと同じ価格では殆ど売れないでしょう。 主役機だからまだ許される値段と言うことです。 OVAの終了から5年近く経って、まだプラモを欲しがるようなユーザーならこの値段でも買いよると言うことなのでしょうが、値段に見合ったアディショナル・バリューが欲しいところです。 例えばB5パーツを二つ入れておいてくれれば、差し替えで地上状態・飛行状態を再現したりすることも簡単です。 ミサイルの翼を置き換えるエッチングパーツを入れておいてくれれば、それを使う使わないはユーザーの自由ですが、より精密感を出せるでしょう。 この値段にするなら、そういったサービスが欲しいと言うことです。 1/72はキットのフォーマットからライトユーザーには少々手を出しずらいですし、1/100のEXモデルは手に入りにくい。 そんな状況での1/144の発売ですのでもっと買いやすい価格設定であったならと思ってしまいます。

キット自体の出来は悪く無いです。 単体の写真で見れば1/72と殆ど区別が付かない程です。 ただコックピット周りの部品構成がタイト過ぎるので、ここは金型の調整をするなりして、もう少しなんとかして欲しい部分です。 設計段階の3DCGのイメージではぴったりはまったのでしょうが、実際の製品ではそうはなっていません。

さて、ゴチャゴチャ書きましたが、どうでしょう。 このアーティクルが貴方のメイヴ製作のモチベーションアップに繋がれば嬉しい限りです。 (2010.10.31)  1/144 PLATZ MAVE parts
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