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finish work


塗装が終了したパーツにデカールを貼ります。 水転写式またはスライドマークと呼ばれるタイプのデカールはガンプラでは採用されておらず、経験の無い方もおられると思います。 正直ベテランでも少々苦労する量があります。 一度に貼ろうとせずに何日かに分けてコツコツ貼って生きましょう。 今回は卵型モールドとキャラクターブルーの部分を殆ど塗装していますので、デカールからオレンジとキャラクターブルーの部分を削除するという変則的な貼り方になっています。 

デカールの切り出し方 1ライン等の面積の大きいデカールから貼り、コーションマーク類の小さいデカールは後から貼ります。

それではスライプナー部分を例に説明します。
デカールは、それぞれ貼るパーツごとに、だいたい固めてレイアウトされています。 纏まった形で適当に切り出します。

デカールの切り出し方 2 デカールを番号ごとに切り出します。 切り出したデカールからデザインカッター(アートナイフ)を用いて、さらにダークブルーの部分を切り出します。 その際、デザインカッターはとにかく良く切れる状態にしておくことが肝要です。 刃こぼれが起きなくても、まめに刃を取り替えてやるようにします。 

デカールの切り出し方 3 スライプナーの銃身(?)部分の外側ライン。 ここもダークブルーですが、ダークブルー部だけを切り出すとかなり細いラインとなってしまい、貼るのが難しくなります。 若干キャラクターブルーも残すようにして切り出し、ある程度の太さのデカールにすると取り扱いが格段に楽になります。

デカールの切り出し方 4 左写真の様に、ダークブルー部のみを切り出そうとすると細い枝状の部分が出来てしまう場合があります。 枝状の部分が出来ると、台紙を剥す際に枝部分が折れ曲がったり、最悪内側に巻き込まれたりする事があります。 そうなるとリカバリーが大変になりますので、この様ケースでは枝状の部分を作らないようにキャラクターブルー部を残して切り出します。

それでは、実際にデカールを貼ります。 貼るのが最も難しい、細く長いラインを貼る場合を例に説明します。

切り出したデカールを水につけます。 このとき、あまり深さの無い直径が16cm程度の小皿を使用すると使いやすいと思います。 そこにぬるま湯(以下、単に水と記します)を入れます。 だいたい37-39℃くらい。 人肌よりわずかに高いくらいの温度が良いです。 冷たい水だとデカールの糊が溶け出すのに時間がかかり、熱いお湯だとあっという間に糊が溶け出し、デカールが台紙から剥がれて浮んだりします。

デカールの貼り方 1デカール自体の大きさにも寄りますが10秒程度水につけたところで、取り出します。 指でかるく触って、デカールが台紙からずれることを確認します。 デカールを台紙からわずかにずらした状態でデカール用ピンセットでつまみ、パーツ上の貼付位置へ持ってきます。 

デカールの貼り方 2 現在デカールと台紙はわずかにずれているので、台紙の端からデカールがはみ出ている部分をパーツに乗せます。 そして、乗せた部分を指で軽くおさえます。 ピンセットで台紙を先端から引き抜くようにします。 このときわずかでもデカールと台紙がスムーズに離れない感じがしたらもう一度水につけます。

デカールの貼り方 3 デカールの貼付け位置を指で微調整します。 このとき水をつけた人差し指で行います。 ピンセットや綿棒を使うと、デカールがめくれたり切れたりします。 この様な細長いデカールの位置調整には濡れた指が一番です。

デカールの貼り方 4 デカールの貼付け位置が決まったら、デカールの脇からそっと綿棒をあて、余分な水分を吸収してやります。

デカールの貼り方 5 最後に平筆で表面をそっと撫でて、空気を押し出します。 あまりしつこくやるとデカールを傷つけます。 適当に様子を見ながらソフトタッチで撫でてやります。 ある程度時間がたつと、デカールがぴったりとパーツに吸い付くように定着します。 もしシワが寄っていたりした場合は綿棒に熱湯をかけたものを押し当ててアイロンしてやります。 一番やりがちな間違いはシワを伸ばすためにマークソフターを塗ることですが、完全に逆効果になります。 細長い直線デカールにマークソフターは禁物です。 軟化したデカールが直線を失う上に、デカールそのものが縮んだりするので、このようなケースでは絶対に使いません。 

以上が基本的なデカールの貼り方です。 次にデカールを貼る際の切り出し方等に注意が必要なパーツについて少し解説します。

パッチのあるデカール マインドブースターの展開部に貼るデカール#178の様に先端にポッチがあるデカールが何枚かあります。 これは、その部分を交差面へ折り込むという指示です。 これはハセガワ製キットのデカールにおいては暗黙の了解事項です。 覚えておいてください。

マインドブースターデカールの切り出し方 マインドブースター部のデカールの切り出し方です。 まず、拡大写真を見てください。 マインドブースターは白地にキャラクターブルーで下半分の直線部を塗装して、後はデカール仕上げる段取りになっています。 本稿ではキャラクターブルーはデカール部分も塗装していますので、デカールについては、ダークブルー部分のみを使用します。 しかし写真の角度Aと角度Bが揃っていないと、色の境界線に白い隙間が開いてしまうことになります。 そこで安全策として、デカールのキャラクターブルー部分を斜めに残して切り出します。 また卵の部分も既に塗装済みですので切り出します。

膝ブロックサイドのデカール 切り出し方 膝ブロックサイドもデカールからダークブルーの部分を切り出して使用します。 このとき頂上部の方はかなり細いラインとなってしまうので、キャラクターブルーの部分も残します。 台紙上ではデカールと塗装のキャラクターブルーの色目は随分違って見えますが、実際に貼るとかなり近い色目になり、違和感はありません。 トップコートでツヤを整えるとさらに差異が判らなくなります。

アンクルアーマーのデカール 貼り方 アンクルアーマーのデカールはこのキットの中でも貼るのが最も難しい部分だと思います。 両側面と正面とに三分割されたデカールですが、まず両サイドを貼ります。 このとき、パーツの後端とデカールの後端をぴったりとあわせると、正しい位置に貼りやすいです。 デカールがアーマーの裏側面までまわりこむ部分がありますので、写真の様に良く切れるデザインナイフで切れ目を入れてやります。 このキットにおいて、マークソフターを使うとすれば、この様な部分で、切れ目を入れたデカールを面に折り込む際等に使います。 デカールでは必要な部分を全て覆いませんので、正面両サイドに伸びる薄い部分等は、最終的にタッチアップしてやります。 ここのデカールを貼るのはかなり難しいので、少々の失敗は目を瞑りましょう。 デカールが充分に乾いてから筆でタッチアップしてやれば、綺麗にリカバリーできます。 キャラクターブルーもダークブルー(328)もデカールの色とそっくりになります。

ショルダーアーマーのデカール 貼り方 ショルダーアーマーのデカールの貼り方です。 これは卵部分を塗装で仕上げる場合の要領ですので、多くのヒトには関係無いかも知れません。 写真の1-4の流れを見てもらえばだいたい判ると思います。 まず、デカールから卵を切り抜きます。 次にダークブルーのラインを細い線と”すごく細い線”が枝分かれしている場所で二分割します。 細い線を貼り、充分に落ち着いた後ですごく細い方の線を貼ります。 すごく細い方はシャインレッド部を若干残して切り出すと扱いやすくなります。 この作業を上下に行い、4枚のショルダーアーマーに施しますので計8回やることになります。

後はインストの指示に従って淡々と貼っていくだけす。 足の部分をデカールで仕上げようとするとかなり苦労するかもしれません。 ここは蒸しタオルを押し付けると良いでしょう。 凹凸の激しい部分はデカール側を適当に切り分けて貼るのも手です。 太もも装甲の116と120は透明部分で切り離して別々の2本のラインにしてから貼ります。 マインドブースターのフラップ部は、蒸しタオルやマークソフターを駆使しても貼るのが難しいのですが、水色の部分だけ切り抜いて貼るという手もあります。 後は各々工夫してみてください。 だいたい一日でこの量のデカールを貼るのは時間的にも精神的にも無理なので、3日から5日くらいかけて、ゆっくり貼っていくのが良いと思われます。

デカールを貼り終わった後で充分にデカールを乾かして落ち着かせます。 その後、各パーツに蛍光灯をあて、デカールからの糊のはみ出しをチエックします。 結構あると思います。 これらは水を含ませた綿棒で撫でることによって取り除きます。

次にトップコートを吹きます。 トップコートはデカールが直接空気に触れて酸化するのを防ぐのが主な目的です。 更にこの製品の様に、全身デカールだらけの場合は湿度の変化によるデカールの伸び縮みで剥がれてきたり、割れたりすることがままあるので、必ず行った方が良いでしょう。 また、トップコートにはデカールと塗装部分のツヤを整える働きもあります。 トップコート使用時の注意としては、軽くサッサッと吹きかけるのをローテーションで何回か行い、一度で気に入ったツヤを出そうとしないことです。 かかり過ぎると白濁します。 ココに来ての失敗は目も当てられず精神的なダメージも大きいので、慎重に行きましょう。

assemble work


いよいよ最終的な組み立てですが、組み立てに関してはそれほど問題は無いでしょう。 完成したそれぞれのユニットをポリキャップで接続するだけですが、私が気づいたわずかな注意事項を記しておきます。

ライトパーツの塗り方 トップコートが終わったパーツにライトパーツを取り付けていきます。 ライトパーツはGランナーごと裏側にシルバーを塗りますが、G7,G8,G9だけはパーツの向きが違うので切り離しておきます。 ややこしいのですがシルバーを塗るのはモールドがしてある方です。 つるつるの方が表になります。 カーモデル等でレンズパーツの取り扱い経験があれば、それほど迷うところではないのですが、ロボットでこのテのパーツは珍しいでしょう。 さらに取り付け方向ですが、インストの説明図ではいまひとつ何が言いたいのかわかりません。 アンクルアーマーのライトは正面から向かって見たときレンズの一番下の段の波が外側を向く様に取り付けます。 太もも装甲のライトは同じく正面から見た時、レンズの一番下の波が内側を向く様に取り付けます。 接着にはモデラーズのプロユース接着剤クリアを使用しました。

アンテナパーツの加工 非常に多くのパーツ分割で話題になっている頭部パーツですが、一方で「合いが悪い」との声も聞こえます。 実際には合いが悪いわけではなく、フローティングしているパーツを表現しているのでパーツ同士がピッタリと合わない表現になっているのです。 これは同時発売された資料本を見れば良く判ります。 ただし、両サイドのアンテナパーツはスナップフィット化の為、取り付け部がかなタイトなクリアランスになっています。 塗装すると入りにくくなります。 無理やり取り付けようとべたべた触っている間にデカールを傷つけたりするとバカバカしいですし、どうせ接着しますので、取り付け部のピンを芯をのこしてデザインナイフで削ります。 写真のピントが来ていなくて、削った部分がわかりずらくすいません。

上腕・下腕の接続 上腕と下腕を接続します。 下腕の開口部に上腕をセットして、上腕のポリパーツの中に外側からピンで挟み込むという独特の構成になっています。 このときピンがかなり入りにくいのですが、ピラミッド状のパーツ(Y1)をピン(F13)に被せて押し込むようにすると簡単に入れられます。 こちらもデカールが沢山貼ってあるパーツですので、接続時にあちこち触ってデカールを剥してしまうような悲劇をおこさないように気をつけましょう。 接続が出来たらY1とF13を接着します。

  腕と体の接続部を加工
腕と胴体の接続部分ですが、ここも塗装をすると軸径が太くなり、接続が難しくなります。 仮組み時には特に苦労した覚えも無いのですが、最終組み立て時はこの部分の接続にかなりてこずりました。 写真で色を乗せた部分を少しずつ削って現物合わせで調節していくのが良いでしょう。

マインドブースターの組み立て マインドブースターとアームの接続部はC12にE16(E17)をきっちりと押し込んで接着します。 ここの組み立てが完全で無い場合、左右のマインドブースターの平行が出ません。

スライプナーの組み立て スライプナー自体は組み立てに関して特に問題は無いと思います。 スライプナーを持つ手が形は凄く良いのですが、スライプナーを上手くホールド出来ないので、思い切って接着しました。

Temjin 747J 完成 Temjin 747J 完成 各ユニットを接続して、完成です。 長い道のり、本当にお疲れ様でした。  

HASEGAWA TEMJIN 747J mindbooster HASEGAWA TEMJIN 747J


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