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Introduction


VF-0S Box artVF-0Sの発売からわずか一ヶ月半程で登場したSV-51γ ノーラ機。 その早い発売スケジュールに嬉しい悲鳴をあげたマクロスモデラーも少なくないでしょう。 勿論、私もその一人です。 VF-0Sの完成から休む間も無くSV-51の製作に取り掛かりました。 基本的には飛行機モデルですので、大きな作成の流れはVF-0Sに準じます。 従って How to make a VF-0 を読んでいただければ、大体の作成の流れは判って頂けると思います。 そこで今回はSV-51作成時のTipsを軽く抜き出して記述するのみにします。 SV-51作成時の参考として少しでもお役に立てば幸いです。

まずはお約束

本稿で"A1"、"F11"等の表記は部品番号を指します。 また"工程12"等の表記は、組立説明書の組立工程番号のことです。 ”331番”等の表記はGSIクレオス社のMr.カラーの番号です。 #600等の表記は耐水ペーパーの番号のことです。 "φ1.5"は直径1.5mmという事です。  "インスト"とはインストラクションマニュアルの略で、組立説明書のことです。

Prepare


SV-51γ 仮組 機体表側 SV-51γ 仮組 機体裏側 例によって部品番号を極細の油性ペンで各パーツに書いておきます。 もちろん番号は完成時に見えなくなる場所に小さく書きます。 アクティブスティルスアンテナ(E13〜E16,F1)等の番号が書けない程小さなパーツはこの段階ではまだランナーから切り離さずにおきます。

部品構成が基本的にVF-1と変わらないVF-0と違い、SV-51は全くの新規フォーマットの可変戦闘機です。 まずは仮組みをして接合線が現れる場所をチェックします。

ノーズコーンからエアインテイクにかけてと主翼付け根の前縁、エンジンナセルの後端部。 そしてエアインテイクの両サイドにある12.7mm砲を収めたユニットの先端部裏側。 合理的な部品分割で、完成時に現れる接合線は思いのほか少ないものです。 上下分割にすることで接合線が表面に出ないエアインテイク等、とても洗練された構造になっています。 次に機体を裏返して見ます。 脚収納庫の処理に注目してください。 特に首脚側の収納庫の部品構成はかなり特殊です。 コックピットのフロアパン下にバスタブ状の首脚収納庫を配置するというVF-0等に見られる一般的な方法では無く、フロアパンは主客収納庫の天井部のみで、前面はノーズコーンの後端が、側面は機種パーツの裏側そのままであることに注意してください。 どの部品を何色で塗るか、また塗装の段取り等をこの段階で良く検討しておきます。 

Cockpit etc


SV-51γ 仮組 大抵の飛行機の例に漏れず、この機体もまずコックピット部を作らないことには話しが先に進まないので、コックピットとその周辺及び機体に内蔵されるリフトファン周りを最初に作ります。 脚周りのパーツにエアクラフトグレーを吹き、次にシート・サイドコンソール等のインテリアに305番グレーFS6118を塗ります。 さらに機体各所にある116番RLM66ブラックグレーを吹きます。 このとき、特にマスキングの必要は無いのではみ出し等は気にせずに適当に吹きます。 エンジンナセル上部等のブラックグレーの部分は先に黒を吹いてから、ブラックグレーで表情をつけるように吹くとメリハリが出て良いでしょう。

写真はフロアパン(表と裏)とリフトファン。 フロアパンは首脚収納庫の天井も兼ねています。 これらのパーツは組み立て後ではスミ入れしにくいので、この段階でやっておきます。 リフトファンのファンブレードはシルバーですが、間にフレームがあります。 いちいちマスキングで処理するのは大変なので、まずブレード部を囲む円内にシルバーを吹きます。 なるべく円からはみ出さないように慎重に。 シルバーが乾いた後、フレーム色のエアクラフトグレーをドライブラシで塗装します。 1号くらいの平筆にエアクラフトグレーをつけたあと、ティッシュで軽く筆先を拭き取り、わずかに塗料が残った筆先でフレームのモールドを軽くこするようにすると、フレーム部だけうまくエアクラフトグレーが乗ります。 シルバーがはみ出した部分も同様にしてリカバリーします。 あとはスミ入れをしてやれば、立体感が出でます。

SV-51γ pilotパイロットフィギュアはインストの指定どおりの調合の色で塗ると、明るい色と暗い色の彩度の差があまり無く、メリハリにかけるので、(写真が悪くて良く判らないのですが)明るい方に白を少し多めに混ぜて色の違いを強調してみました。 頭上のカーテンケーブルは、まずベースホワイトで真っ白にしてから黄色を塗り、エナメルの黒を面相筆で塗ります。 黄色は隠蔽力が最も弱い色なので、かならずパーツを白くしてから塗ること。 さもないと綺麗な発色は望めません。 ヘッドレスト周りが、隙間だらけでC2の裏側等が割と見えるので、つや消し黒を塗って対処します。 シートパーツC9の裏側も305で塗っておきます。 フィギュアを載せる場合はインストに従ってC9の真中をレッドブラウンで塗り分けても全く見えなくなります。


SV-51γ front inside 機首パーツ(A7,B5)の内側を塗ります。 首脚格納庫側を73番エアクラフトグレーで、コックピットの内壁側を305番で塗ります。 首脚収納庫側の塗装指示がインストには無いので注意してください。 また、このとき同時にノーズコーン(D1,D2)の後端面も73番で塗装しておきます。

SV-51γ front inside A7とB5を組み合わせる前に、A7側はコクッピット後ろの28番黒鉄色やバトロイドの頭になる部分のシルバー(8番+2番)を、B5側はリフトファンのルーバー部等に116番ブラックグレー塗っておきます。 この時点ではマスキング等はせずに、適当に色を乗せれば良いです。 塗料を充分に乾燥させた後、マスキングします。

SV-51γ 機首 A7とB5を組み合わせます。 首脚収納庫付近は接合ピンが無いので、ずれないように慎重に位置合わせします。 カナード翼の装着スリット前方の白い矢印状のものは、ヤスリがけで消えてしまったモールドをエバーグリーンの0.13mmプラ板で再生したもの。 インストの図を拡大コピーして作った型紙を前述のプラ板に「のり」で貼って、それを切り抜いてつくります。 プラ板と言っても0.13mmだと、普通のハサミでカット出来ます。 機首ユニットのサイド部はヒケが集中しており、この部分を綺麗に仕上げるか否かで、完成後の印象が大きく違うはずです。

Masking and Coloring work


SV-51γ エンジンナセルのマスキングエンジンナセル上面、116番で塗装した部分のマスキングは組み立て前に行っておくほうが楽です。 サイド部にいやらしい切り欠きがあり、なかなか手間の掛かる部分です。 脚収納庫のマスキングも組み立て前にF5,F6パーツの内側からマスキングテープを貼っておくと簡単に出きます。 塗装終了後にマスキングテープをピンセットで引き抜くという段取りで。 E19,E20は完成時には全く見えなくなる部分ですので、(左写真ではやっていますが)わざわざマスキングする必要はありません。 E19、E20についてはそもそもインストで指定の28番黒鉄色で塗る必要すらありません。 継ぎ目消しはノズルに近い部分だけ行えば良いでしょう。 前方側は接着面になるので、継ぎ目を気にする必要はありません。

SV-51γ エアインテイクのマスキング エアインテイクのマスキング。 上面(機体に装着されると下面になる)のギザギザのパターンはマスキングテープでは見えにくく、切り出すのが困難です。 しかもマスクされる部分の塗装色が艶消しなのでマスキングゾルでは食いつき過ぎて剥がせなくなる可能性が高い部分です。 従って、ここはマスキングシートを使用します。 側面はマスキングテープで直線を出します。 マスキング素材もケースバイケースで使い分けることが肝要です。 マスキングシートは一巻¥1000くらいするので、消耗品としては買うのをためらう値段ですが、あると便利だし、かなり持つのでお勧めです。 画材店で入手可能。 いろいろなサイズがありますが、ロール幅12.5cmくらいのものが模型用途では使いやすいです。

SV-51γ 下地作り 機体各所のマスキングが完了したら、白で下地を作ります。 この作例ではベースホワイトを採用しています。 下地色を白にするのは赤系をきちんと発色させる為です。 赤は黄色に次いで隠蔽力が弱い色です。 逆に隠蔽力の弱さを生かした表現も可能です。 いろいろ試してみると良いでしょう。 とりあえず、ここは基本に忠実に行ってみます。

SV-51γ 本塗り この作例ではカラーは赤+ピンク+パープルとレシピ通りですが、赤の割合を増やして紫を少なめにしています。 紫を沢山入れると、色が濁るので、カラー作成時には充分に注意してください。 ハセガワのインストの指定色はどう考えても紫に振られすぎの気がします。 混色時のカラーレシピはメーカー指定は参考程度にして、自分で納得する色を見つけるしか無いと思います。 また、基本的に混色した場合、同じ色は二度と出来ないと考えたほうが良いでしょう。 そこで、色が余ると勿体無いとか考えずに、かなり多めに作っておくことです。精神的な不安要素はなるべく排除して製作に取り組みましょう。  

SV-51γ エアインテイクのマスキング エアインテイクのエッジを塗る際にインテイク内部に塗料が吹き込まないように、マスキングテープでちょっとした傘を作ってやります。 インテイク内部を全てマスクしなくても、端からはみ出す形でマスキングテープを貼ってやれば、OKです。

SV-51γ 胴体部品後端のエッジの処理 SV-51γ エンジンナセル後端のエッジの処理 エッジの話しが出たついでに・・・機体の各所にエッジになる部分があります。 胴体の後端でエンジンナセルと接続する部分は、通常の飛行機でしたらまず表面に出ないところです。 特に注意してください。 また、エンジンナセル後端も意識しないと色を乗せ忘れやすいポイントです。 エアインテクと同様のマスキング処理で塗るか、または筆で塗ると良いでしょう。 エッジ部の塗りを意識する必要があるパーツとしては、他に翼があります。 SV51の翼はすべて1枚パーツで貼り合わせが無い分、薄い翼ばかりですので、前縁や後縁の色の乗り具合はかならずチェックすするようにしましょう。

SV-51γ ベクターノズル ベクターノズルのパーツA8,A9,B7,B9は必ず裏側も塗っておきます。 パーツを組み合わせた際、接合部にそれぞれ若干パーツの裏側が見えるようになっています。 そこに成型色のピンクが見えてしまうとかなりみっともないものです。
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